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【応用情報技術者】クラッシングとは何か

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●クラッシングとは
プロジェクトの期間を短縮する方法の1つで、労働時間を増やしたり、増員することで期間を短縮する。

出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度春期/令和元年度秋期/平成30年度秋期

クラッシングの説明

クラッシングとは、プロジェクトの期間を短縮する方法の1つで、メンバの労働時間やメンバの数を増やすことでプロジェクトの期間を短縮します。

 

作業をする人が増えればプロジェクトの期間を短くすることが出来ますし、1日当たりの労働時間を増やしてもプロジェクトの期間を短くすることが出来ます。

クラッシングの注意点

クラッシングでは人と時間という「コスト」を掛けて問題を解決します。
なので、むやみやたらにクラッシングする訳にはいきません。(そんなことしたらブラック企業になってしまいます……)

つまり、クラッシングを行う場合は、プロジェクト内のどのタスクに対して実行すればよいのかを適切に判断することが大切です。

クリティカルパス上で行う

クラッシングはプロジェクト全体の期間を短縮するものなので、プロジェクト内のタスクの流れを把握した上で、どのタスクに人員や時間を割くのかを決定することが重要になります。

例えば、下図のようなプロジェクトがあるとします。タスクDはタスクBとタスクCが終わらなければ始めることが出来ません。

このプロジェクトの期間を短くしたい場合、どこにクラッシングを適用すれば効果的でしょうか?

タスクCにクラッシングを適用して早く完了しても全体の日数は変わらないので、意味がありません。

しかし、タスクBにクラッシングを適用すると全体の日数を短縮出来るので、意味のあるクラッシングだと言えます。

このように、クラッシングはプロジェクト内で最も時間が掛かる一連のタスクの組み合わせの中で行う必要があります。ちなみに、この組み合わせのことをクリティカルパスと呼びます。今回の例で言うと、A→B→D→Eがクリティカルパスになります。

リスクの管理

クラッシングで人員を増やしたり、労働時間を長くすることで新たに発生するリスクもあるので、そのリスクへの対策も必要になります。

例えば、注意が必要な繊細なタスクを行う作業者の労働時間を長くした結果、集中力が続かずに不具合が発生しました。となってしまえば、いくらプロジェクトの期間を短縮出来たとしても意味がありません。

クラッシングを行う際は、労働時間や人員を増やしても品質を保てるのか?を考える必要があります。

過去問

応用情報技術者 午前試験
令和4年度春期問52、令和元年度秋期
問53

プロジェクトのスケジュールを短縮するために、アクティビティに割り当てる資産を増やして、アクティビティの所要期間を短縮する技法はどれか。

ア クラッシング          イ クリティカルチェーン法
ウ ファストトラッキング      エ モンテカルロ法

正解と解説

正解は”ア”
クラッシングは時間や人などの資産を増やしてプロジェクトを短縮する方法なので”ア”が正解です。

応用情報技術者 午前試験
平成30年度秋期問51

プロジェクトの期間を短縮する方法のうち、クラッシングに該当するものはどれか。

ア 作業の前後関係を組み直し、実施する順番を変える。   
イ 作業を分析し、同時に実施できる部分を複数の作業に分割し、並行して実施す る。
ウ 先行作業の一部の成果物が完成した時点で、後続作業を開始する。   
エ プロジェクトの外部から要員を調達し、クリティカルパス上の作業に投入する。

正解と解説

正解は”エ”
プロジェクトのメンバを増やして期間を短縮しているので”エ”が正解です。